孤独語とは、他の言語との間に実証できる系統関係がなく、あたかも孤立して発展したかのように見える言語のことです(ゆえに孤立言語とも言う)。つまり、何らかの語族に属しているとは思えない言語です。
今回から3回にわたり、「言語と孤立」をテーマに、これらの魅力的な言語についてご紹介します。
孤独語の例
孤独語は、神秘的な感じがしますが、決して珍しいものではありません。言語学者によれば世界には約129の孤独語があると推定されており、驚かれるかもしれませんが、そのうちのいくつかは非常に有名な言語です。
バスク語(エウスカラ)はおそらくもっとも有名な孤独語で、約75万人の母語話者がいます。バスク語は、フランスとスペインの国境にあるピレネー山脈西部のバスク地方(バスク自治州)に集中しており、ヨーロッパで最も古い言語と考えられています。フランコ将軍の時代にスペイン政府から弾圧を受けたこともありますが、近年、スペインもバスク語の保護プログラムに投資するようになりました。
韓国語や日本語のような世界で広く使われている言語も、かつては孤独語と考えられていましたが、この点は激しい議論の的となっています。これらの言語が他の方言と結びついて新しい系統関係を形成した(語族の再結合)ことを示す新たな証拠も見つかっています。
その他の地域の孤独語としてシュメール語がありますが、紀元前3千年もの昔、古代メソポタミアにおいて大きな影響力を持っていました。その強力な役割は遠い過去にとどまらず、古代の納税報告書からメソポタミアの学校の教科書に至るまで、何十万ものシュメール語のテキストが考古学者によって発掘されています。楔形文字で書かれたシュメール語は、ギルガメッシュ叙事詩など、現存する世界最古の文学作品も生み出しています。
孤独語と未分類言語
大切なのは、孤独語と未分類言語は同一とは限らないことを念頭に置いておくことです。未分類言語は通常、絶滅した言語を指します。分類するにはデータが少なすぎるか、証明に説得力がない(つまり、別の言語として存在していた証拠が薄い)ものです。未分類言語が孤独語であるかどうかは断言できない上に、韓国語や日本語のように孤独語が再分類されることもあります。
孤独語の起源
孤独語の起源を特定するのは容易ではありませんが、その多くは大きな語族の最後に残った枝であって、他の関連言語は強力な裏付けがなく消滅したという可能性があります。孤独語の多くは、アマゾンの先住民の言語や、ピレネー山脈のような険しい山岳地帯など、地理的に隔離された地域に密集している言語など、絶滅寸前の脆弱な言語や消失し絶滅した言語です。
孤独語の起源には、手話という興味深い言語もあります。例えば、ニカラグアの手話は、20世紀後半に全く新しい孤独語として誕生しました。聾学校という新しい教育機関の中で生まれたこの言葉は、子供たちの成長とともに広がり、次の世代に受け継がれていく繫栄した言語になりました。
最近の研究では、恒星間宇宙旅行が孤独語を生み出す可能性さえ指摘されています。未来の人類は、SFを現実化することができるのでしょうか。次回は、「言語と孤立」についてご説明します。
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